10年前には最新鋭だったPCなので、なかなか更新が億劫でこんばんは。
今日は思考訓練です。発想法を磨くというか、先入観や不要な常識を排除してよりよいアイデアが出るように、私が実践していることです。
やってることは簡単。逆を行くことと、全て同一の結論に達すること。
いきなり食い違ってるわけですが、これを同時にやる訳じゃあありません。練習だからね。
まず、逆を行くこと。
世の中には、物事が滞りなく進むように人間が前提とする「先入観」「常識」というのがありますが、これが必ずしも当たっているとは限らないというのは皆さん知っての通りですし、モンティ・ホール・ジレンマのように、専門家ですら誤ることもあります。
こういうときにいわれることの一つに「別の視点から見る」ということがいわれるのですが、これは難しいのですね。なぜか。「違う視点って、どこから見たらいいの?」となるからです。これが写真や測量なら別の適当な地点の見当も付くでしょうが、思考という三次元の中は皆々で位置関係や距離が違いますから、客観的に適切な指示はまず無理です。
なので、「逆を行く」という比較的わかりやすい方法を採用します。
社会保障費の増大にしたがって増税の論議があったりしますが、増税云々ではなく、ここでは既定路線として扱われた社会保障費増大の逆を行き、これを削るとかいうところにスタート地点を設定したりします。
若者の○○離れの類では、「離れてない」「むしろくっついてきた」「むしろ若くない」「オッサンも離れてきた」など、何と何を逆と捉えるかによって、複数のテーゼをつくれます。で、これらの主張をどうやって補強するかということをやっていくと、ディベートの技術が付きますが、これはまた別の話ということで。
まずは、「逆を行く」。
次に、同一の結論に達することです。
僕の持ちネタに「赤いものは共産主義者と思え」というのがありまして、赤けりゃ何でも共産主義、スターリンの同志とかといってしまうののですが、これの応用です。
人間は生まれながらにして共産党員である。
資本主義の犬も流れる血は赤い点で、同志となりうる可能性がある。
日本国の中心は、共産主義である。
我々の力は強大である。信号では赤のみが全ての侵攻を止める。
赤いきつねと緑のたぬき。東洋水産の社員の半数は同志である。
太陽は1日1度は我々と同じ色に輝く。「同志、それは落日ですが!」
全て共産主義と結びつけてるわけですが、全て理由は「赤いから」。まあ、バカの一つ覚えなんですが。
で、ここで大事なのは同じ結論に達することなので、たとえば「絵の具のビリジアンは共産主義である」というテーゼを置きます。上記の例と同様に同一の結論に達しようとしましたが、今度は赤くないです。ですので赤いものを見たら共産主義と思うという画一的手法が使えません。なので、様々な点からビリジアンを共産主義と結びつけようという努力をすることになります。僕にはビリジアンを共産主義者であると断じるだけの論理が考えられませんが、別のものなら可能かも知れません。
・若者の○○離れは問題だ→○○離れは「素晴らしい」
・輸出企業の支援が必要だ→輸出企業を支援しないのは「素晴らしい」
・出生率の低下が問題だ→出生率の低下は「素晴らしい」
などなど。
べつにこうだっていいわけですが
・若者の○○離れは問題だ→○○離れは「右から二番目」である
・輸出企業の支援が必要だ→輸出企業を支援しないのは「右から二番目」である
・出生率の低下が問題だ→出生率の低下は「右から二番目」である
わけがわかりませんが、こうやってわけがわからないものを発見し、それに定義を与え、意義を探り、理由付けをする。こういう訓練をしておくと、「地頭力」とはまたひと味違った思考力が付くのではないかと思っています。
茶筒は丸か四角かという議論はできます。横から見れば四角く、上から見れば円いです。
でも、これだけではまだぬるいのです。大事なのはいくつもの可能性を検討することではありますが、いくつもの可能性をいくつ見つけるかというのが非常に大事なのです。
茶筒、斜め上から見れば楕円に見えるはずなのです。楕円は円くも四角くもないでしょう。
「茶筒は四角いんだぜ、ふふん」なんて言ってると、楕円派に足元をすくわれることになりかねません。