日本人の気性や特性についていろいろと思案していると、気候・風土が国民性の醸成に大きく寄与しているという考えが頭をもたげてきている。というか、気候風土が影響するのは当たり前っちゃ当たり前か。
日本人の特性として、私が認識しているところをいくつか挙げてみると、
改良が得意
新しく画期的なものを作るのは得意でない。
小さく作るのが得意、緻密で細かいディテールに定評がある
社会を変える「仕組み」を作るのは上手くない、戦略性・ビジョンに欠ける
時間に正確
こんなところだろうか。あくまで主観なので、いろいろと外れているところがあるかも知れないし、足りないところがあるとは思うが、そこはもし読んでる人がいたら指摘していただけると嬉しい。
んで、これらは皆気候風土の賜物だと捉えている。美醜両面で。
改良が得意なのは地理的条件によると考える。つまり、大陸から途絶されており、技術や思想、あるいは道具や器械そのものが容易く入ってくることはない。そのため、その仕組み自体に詳しくなる必要があった。直すか、コピーをしなければ困るからだ。仕組みが分かれば、あとは好きなように改造できる。だから改良が得意なのだ。
新しく画期的なことが苦手なのは、自然災害のせいである。地震で壊れる、火災で燃える、洪水で流される。台風で吹き飛ぶ。元に戻すだけで精一杯だ。そして、戻せば事が足りる。
それに、自然が豊かだったので新たな何かを開発する必然に迫られることもなかったのではないか。
ここらへんは「余裕ができれば新しいものが生まれる」というのと矛盾する。日本の上流階級はおおむね文学や音楽に傾倒し、発明などには傾倒しなかった。数学や物理等の実学や発明改良が発展したのは武家社会となった鎌倉時代より後だ。(鍬や万能は室町より後だったと記憶)。
なぜ日本には錬金術の影響が薄いのだろうか。
小さく作るのが得意なのはよく分からないが、「改良」で述べたところの仕組みを学ぶ姿勢にあったのではないかと推測する。改良や複製には、そのものの本質を掴む必要がある。小さく作るというのは、一種エッセンスの抽出とも言える。地理的条件が本質の理解の能力に影響しているのではなかろうか。
「仕組み」が苦手。というのはここ最近という気がしないでもないが、言い換えると「戦略」と、インフラの把握だ。ここら辺は今だとアップルがうまい。ipodは携帯型フラッシュメモリプレイヤーだが、このキモはitunesだ。itunesを中心とした「仕組み」に足りなかったのが端末だったので、アップルはその端末を作ったに過ぎない。iphoneも同様だ。
太平洋戦争で機動艦隊が空母時代の幕開けとなった。これは今では画期的だと捉えられているが、当時の日本軍は大艦巨砲主義からの脱却は結局できなかった。価値観をひっくり返す事自体は、日本人もできるのだが、枠組みそれ自体を意識して作って利用することとなるとさっぱりと言ってよさそうだ。
やはりこれも自然の厳しさゆえなのだろうか。自然が破壊するので理想を推し進めるよりも現状に即して構築していくという、悪くいえば「場当たり的」な対応が最善と捉えているのだろうか。
時間に正確なのも、四季と自然災害のゆえだろう。
早く種まきをしないと梅雨になる。暑くなる、台風が来る、冬になる。のんびりしている時間はない。時間に厳しくなるのは当然だという気がする。
まだまだ考察が甘いけども、検証のしようもないのでこのあたりにしておく。
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