2010-04-12

目指したもの

昔、カメラは二眼かレンジファインダーで、これは視差(パララックス)が避けられなかった。実際にフィルムに届く光とは別の光を見ながら、フィルムに届く光を調整しなくてはいけなかった。

これを解決したのが一眼レフ。カメラ内部にペンタプリズムとミラーを内蔵して、シャッターを切る前はフィルムに行く光を見ながら構図やら明るさやらピントやらを調整できる。ただし、フィルムに届く光をミラーでインターセプトしているので、シャッターを切って感光させるときにはミラーが跳ね上がって、その瞬間はファインダーからは何も見えない。一眼レフの宿命。

で、マイクロフォーサーズ(m4/3)の一号機としてPanasonicのDMC-G1が出た。それ以降矢継ぎ早にPanasonicはm4/3機を投入している。OlympusもPen E-P1の投入以降3機種を送り込んだ。PEN-FTがデジカメになったら絶対買うと吹聴してみたら数日後に発売という話があったので半分歓喜、半分しまったと思いつつ予約。10万だったら、他に先につぎ込むところがあるでしょ俺。

そりゃコスパを考えたら別のやつ、具体的にいうとパナのやつの方が良かったんだけど、僕はPEN-FTの思想と形とが好きだった。形状と思想というパフォーマンスを評価した。あとは、それまでのデジカメでもファインダーはあったけど、実際は液晶見ながら撮るよねという観察の結果も勘案していた。

「見たままに撮れる」のが一眼の要諦だとすれば、今までの全てのデジカメは、液晶画面をファインダーとして利用する限り全て一眼形式だったわけだ。m4/3は、レンズ交換式という一眼とは「無関係」な要素をコンデジの世界に取り込んだ。一眼レフとレンズ交換式は事実上セットだけど、レンズ交換式は須く一眼レフであるべきとはならないのがキモ。

で、ふと理解した。「一眼」と呼ばれるには、覗き込み式ファインダーと交換可能なレンズの両方が必要なようだ。厳密に言うとe-p1は一眼じゃない。まさにレンズ交換式コンデジ。


さて、そんなことにも気付かずE-P1を買ってしまったアレがナニなわたしですが、m4/3のフランジバック(感光部とレンズマウント部の後端との距離)の短さに可能性を感じたのですよ。ここの距離が短ければ、スペーサーを挟むことでもっとフランジバックの長いレンズが使えます。まさにレンズ沼まっしぐら。いろんなレンズを使うことが可能。実際は標準レンズでだいたい満足してます。新しいレンズ、欲しいと言えば欲しいけど、むしろ無いからこれをどうしようかと知恵を捻ったりするのもまた楽しいもので。


昔は、写真は主に紙で鑑賞するものでした。写真展でもポジフィルムを映写して展示って見たことがないし。紙に焼いて見るものを、紙の上ではなく光をそのまま見ていたわけです。

今ではデジタルフォトフレームだったり液晶画面だったりでの鑑賞の方が主流ではないかと感じてます。で、ファインダー自体も液晶。鑑賞手段とファインダーとが一致することになるわけです。昔よりも見たままを撮ることができて、鑑賞するままに撮ることができる。
EVF方式への移行は自然な流れだと思っております。

壊れちゃうと簡単に直せないものへと道具が変わっていくのは残念といえば残念ですが。

ということを、考えておりました。
http://j.mp/ddhbCl 日経エレクトロニクスより

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

デジタルフォトフレームに関しては、
当ブログの記事が参考になるかもしれませんよ・・・。

デジタルフォトフレームの機能比較
http://photomovie39.blog54.fc2.com/blog-entry-23.html

tachibana さんのコメント...

ありがとうございます。選ぶときの参考に致します。